油というと、毛嫌いされがちですが、いえいえ私達は油を食べないでは、生命を維持する事さえ難しくなります。
油が私達の身体での役割は、効率の良いエネルギーになる、身体を合成する材料になる、 脳細胞・神経細胞を作る材料、ビタミンDの源、ビタミンAの源、ビタミンEの源、ビタミンKの源、胆汁の源になるなど、又コレステロール、中性脂肪、脂肪酸の源になるなどです。
油の事、あぶらの種類についてお話しする時に出てくる言葉に、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸があります。字づらをみても同じであるようでどこか違うみたいな。
すごーく簡略して(私が理解している様に)書いてみます。
飽和脂肪酸(ほうわしぼうさん)は主に動物性食品に含まれる脂で、ラードや牛脂、牛乳がそれに含まれます。
不飽和脂肪酸(ふほうわしぼうさん)は主に下記の様に分けられます
1一価不飽和脂肪酸又は単価不飽和脂肪酸(二重結合が一カ所)
オレイン酸(二重結合の場所によりオメガ9脂肪酸とも呼ばれる)
オリーブ油が代表的です、米油、菜種油などにも多くふくまれています。
※体内で飽和脂肪酸からも合成されます。
2多価不飽和脂肪酸(二重結合が数か所)
①リノール酸(二重結合の場所によりオメガ6脂肪酸とも呼ばれる)
ごま油、大豆油、コーン油、ひまわり油、ベニバナ油、グレープシードオイルに多く含まれます。
※リノール酸は体内で合成することが出来ないため、必死脂肪酸と言われ食品からの摂取が大事です。
②アラキドン酸
レバーや肝油に多く含まれる
③α-リノレン酸(二重結合の場所によりオメガ3脂肪酸と呼ばれる)
亜麻仁油、エゴマ油に多く含まれます
③EPA・DHA(二重結合の場所によりオメガ3脂肪酸と呼ばれる)
※オメガ3系脂肪酸は熱により酸化しやすいので、加熱調理には適していない。
以上の事、油の種類についてを頭に入れながら、、、、考えていきましょう。
コレステロールや動脈硬化などの病気の予防や改善として食事を考えた時に、
『成人病の最大危険因子は血中コレステロールの増加であり、これらはコレステロールは動物性脂肪の摂取で増加するので、コレステロールが増えない様にするには植物性油をとりましょう』と考えられてきました。
別の言い方をすれば、すべての油が成人病の発症にかかわっているのではなくて、『動物性脂肪だけが元凶』とされていました。
そして、『この油は健康に良い!』ともてはやされたのが『リノール酸』です。
リノール酸と言われても、あまり聞き馴染みがないと思うかもしれませんが、、、スーパーなどで買う油の製品『ひまわり油』や『ベニバナ油』『コーン油』がリノール酸という脂肪酸を多く含みます。
リノール酸が一躍もてはやされたのは今から約50年以上も前の事です。
1986年頃から、リノール酸の過剰摂取による弊害が言われるようになり、今ではリノール酸の摂り過ぎの害により、私達現代人は健康を損ねているのでは?といわれています。
リノール酸の摂り過ぎによる健康被害としてあげられているのが
体内で炎症やアレルギーを発症する、ひどくする。
がんの発症や転移を促進する。
善玉コレステロールを減らす(動脈硬化を促進する)
血小板が集結し血栓ができやすくなる
などです。
飽和脂肪酸や不飽和脂肪酸の言葉は私的に説明が難しいので、ここでは油の種類を
オレイン酸(オメガ9脂肪酸)
リノール酸(オメガ6脂肪酸)
α-リノレン酸、EPA・DHA(オメガ3脂肪酸)の言葉で憶えてみてはどうでしょうかと提案します。
リノール酸は摂り過ぎない様に!
α-リノレン酸を積極的に摂取するように!
サラダなど加熱調理しない料理には、亜麻仁油・エゴマ油のドレッシングでα-リノレン酸を
積極的にとりましょう!
イワシ、サンマ、サバなど青魚を積極的に食べましょう!
味噌汁や、煮物など、器に入れてから亜麻仁油、エゴマ油をかけてみましょう!
現代人は、リノール酸とαリノレン酸・EPA・DHAのバランスは、
リノール酸10~30対α-リノレン酸1ほどにも 傾いているとの事です。
昔昔は(狩猟民族時代)リノール酸1対α-リノレン酸4 ともいわれています。
日本脂質栄養学会は、バランスを早めに是正するためにも、
現代においては目標はリノール酸2対α-リノレン酸1
厚生労働省は、目標はリノール酸4対α-リノレン酸3
との考え方があるようです。
リノール酸の摂り過ぎ、市販の調理油だけでなく、市販のドレッシング、マヨネーズ、お菓子
パン、ケーキなど、上げたらきりが有りません。
とりあえず、リノール酸摂り過ぎ注意! いや警報レベルでしょうか!
また、油の問題は熱に弱い・熱で酸化されやすいという面から、製造方法、保存方法にも気を配らなくてはいけません。
どんなに良い油(例え亜麻仁油でも)製造過程で熱が加わる工程だったり、保存期間の問題だったり、光熱を浴びていたりしていては、摂取する段階では良い油とはいえないんです。
油の製造方法の事、摂ってはいけないトランス脂肪酸の事など
また次の機会に書きたいと思います。
今日はここまで。
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