ビタミンD

ビタミンDの摂取量の目安

栄養素ビタミンDを多く含んでいる食品の焼鮭をあげました。

2025年度版の日本人の食事摂取基準によると、成人のビタミンDの一日の摂取量の目安量は9.0μg~100μgとされています(ずいぶんと目安量の幅が有りますね)

画で上げた焼鮭一切れに、ビタミンDは25μg~35μg含んでいます。

そう聞くと、日本人の摂取推奨量を満たしている!と思うと思うんですが

食事だけの場合、体で使える活性型のビタミンDとしてどれだけあるのかの血中濃度(※1)を測定してみると、90%が不足であり、40%が欠乏レベルという報告があります。日本人は国際的に見ても血中濃度が低い傾向とされています。

私達が栄養素の摂り過ぎを気にするばかりに、栄養不足に陥っているのをを如実に表している栄養素の一つとも云えます。

※1については、後で触れる事とします。

栄養療法的には、ビタミンDの一日摂取量は100μgをお勧めします。

焼鮭だけで摂るとしたら、4切れが一日のおすすめ量になります。

ビタミンDの働きは?と聞かれて直ぐにかえってくる返事は、カルシウムとの関係ですね。

血液中のカルシウム濃度の維持や、骨の健康維持に、甲状腺ホルモンと連携しながら働いています。

ビタミンDが不足する要因

① 日光不足

 ビタミンDは紫外線を浴びると皮膚で合成されます。屋内での生活時間増加や日焼け止め、日照時間が短い地域に住んでいるなどで、皮膚での合成が低下しやすくなります。

② 摂取不足や吸収不良

 ビタミンDは、魚類、卵、キノコ類に含まれますが食事だけで必要量を満たすことは難しい場合があります。またビタミンDは脂溶性の栄養素のため脂溶性(油もの)の摂取が少ないと吸収率が低下しやすくなります。

③ 体内利用の低下

 ビタミンDが体内で利用されるには、まず肝臓と腎臓で活性化される必要があります。肥満や肝機能・腎機能の低下があると活性化に関わる過程が滞り、不足が起きやすくなります。

④ 加齢による合成低下

  加齢により皮膚での合成能力が低下し、同じ日照量でも若年者ほど効率的に合成はされません。


全身の細胞機能を支えるビタミンD

そして近年、ビタミンD(この10数年?)についての研究報告がすすみ、全身の細胞の機能を支えるビタミンとして取扱われています。

季節の変わり目のコンディション作り、アレルギー症状、呼吸器系感染症、うつや不安障害などの予防・改善に、免疫疾患への適応などと、その働きは多岐にわたります。

私の方にご相談のあった方々で、膠原病の方、アレルギー疾患の方、癌の治療中の方、皮膚疾患の方は、ビタミンDの血中濃度は不足の傾向くらいでも、疾患のコントロール・改善の為にと、栄養療法医師からは、血中濃度120μg程を目安に、ビタミンDの栄養製品が処方されます。

ビタミンDの代謝

食物として摂取されたビタミンDは、肝臓の酵素によって25(OH)ビタミンD3に変化します。そして腎臓で1.25(OH)ビタミンD3に変化し、それが活性型ビタミとして体の細胞組織で使われます。

前に全身の細胞機能を支えると書きましたが、ビタミンDの働きを特徴づけているのが、体の多くの細胞には、活性型のビタミンD3と結びつく受容体(VDRビタミンディーレセプター)があり、そのレセプターから活性型ビタミンDが細胞の中へ入り、細胞の機能を発揮するということです。

VDR(ビタミンD受容体)は骨だけでなく、筋肉、免疫細胞、脳、内分泌組織(膵臓、甲状腺など)にもあり、体のコンディション作りや、日常のリズムを整えるなど多面的な働きがあります。

ビタミンDは、妊娠準備期から妊娠・出産・産後に、母子、配偶者共に必要なビタミンと考えられています。VDR(ビタミンD受容体)が、精巣、卵巣、卵胞、子宮粘膜、子宮筋層、胎盤にも多くある事がわかり、精子形成や卵巣や黄体機能、子宮内膜の着床のしやすさ、胎盤形成、免疫寛容(母体が胎児を攻撃しないしくみ)、カルシウム輸送などの過程にビタミンDは男性・女性双方にとって大切な栄養素です。

また、鉄の吸収を調整しているペプシジンというホルモンにも、ビタミンDが関わっている事が解り、妊娠出産だけでなく、貧血にならない・貧血を改善する(造血)の面からもビタミンDは大切な栄養素です。

(※)1ビタミンDの血中濃度

ビタミンDの血中濃度は、大概は25(OH)ビタミンD3(肝臓で一次加工された状態)で測定されます。

腎機能低下や透析を受けている、骨粗鬆があるの病態の場合、すでに活性型のビタミンD製剤が出されていいる事もあります。

そういう場合は、25(OH)ビタミンD3の血中濃度が低い数値であっても、栄養製品の摂取開始時期は、過剰症につながらない様に摂取無しで様子をみるか、少ない量で慎重に行く場合もあります。しかし過剰症としての考え方は、活性型(1.25ビタミンD3)での摂り過ぎなので、栄養療法を継続していく過程では、25(OH)ビタミンDが低い場合は、25ビタミンD3の栄養製品が処方されている印象があります。

ビタミンD血中濃度・25(OH)ビタミンDの医療の目安値は40~60ナノグラム/mL

栄養療法的目安値は80~120ナノグラム/mL

新型コロナウイルス感染症からの回復を早める可能性

少し前、コロナ禍での報告ですが、25歳~75歳のビタミンD不足の軽~中等症患者69人を対象に、ビタミンDを125ナノグラム/日、または25ナノグラム/日で2週間投与したランダム比較試験によれば、125ng群のみ、25(OH)Dが有意に上昇し、咳と味覚障害の回復が有意に早かったとの報告。これはビタミンDに免疫を調整する働きがある事が関わっていると考えられる。

参考文献

オーソモレキュラー栄養医学協会発行 栄養素ガイド『ビタミンD』





栄養カウンセリングユウケイ

【沖縄県沖縄市】 看護師の知識・経験と分子整合栄養学を融合した栄養アプローチを提案します。