分子整合栄養学を共に学んでいる医療職のA子さんからのご相談
A子さんは現役医療職の方、患者さんからのご相談をうけて、私の方へお問い合わせがあった
A子さん「頸椎の手術予定の人が、術前の検査でPT(プロトロンビン時間)-INRが高い、手術が延期になりました。PT-INRの数値は2以上あるそうです。血液サラサラとか血圧の薬は飲んでいないんですが、何が原因と考えられますか?」
私「PT-INR(プロトロンビン時間国際標準比)の数値の出し方は、患者血症PT/正常血症PTで出されます。PT-INRの基準値は1.0ですので2.0以上高いですね)
私「PTが延長するにつれて、INR値も大きくなります。ちなみにPT時間は私の学んでいるテキストには10秒~13秒とあります」
私「その方の飲んでいるお薬知ってますか?」
A子さん「睡眠薬、うつの薬、喘息の薬、喘息の吸入薬、皮膚疾患があってビブラマイシンという抗生物質を低用量で長期に服用してます」
私「肝臓の状態が分かる血液検査などわかりますか?」
A子さん「GOT(59)、GPT(54)、γ-GTP(12)、アルブミン(4.1)」
私「コリンエステラーゼや血小板の項目はされてないですか?」
A子さん「今日見せてもらった検査表にはないです」
私「ワーファリンとかの血液サラサラ系の薬の影響が無いとの前提で考えてみると…病態とPTの関係で考えて、血液凝固因子タンパクの第Ⅰ、Ⅱ、Ⅴ、Ⅶ、Ⅹは肝臓で作られるため、肝臓疾患などで肝機能障害がある場合、これら凝固因子が作られず不足して、PT延長する場合があります。」
私「かかりつけ医などで行われる検査などで、肝臓の状態を確認する時に簡略した見方ですが、GOT、GPT、γGTP、コリンエステラーゼ、ALP、LDH、これら酵素は逸脱酵素ですので、(肝臓の)組織がが壊れて血液中に多く出てくるため数値は高く示します。高い時には肝臓の障害を考えます」
私「肝臓の障害とは別に、肝臓がきちんと働いているかをみる場合は別項目をみます。肝臓の働きはいくつか…たしか7つくらい有りますが(すぐ全部は言えない私…)働きの一つに、体に必要なタンパク質の合成、コレステロールの合成などがありす。検査数値で体のタンパク質というと、総タンパク、アルブミン、コリンエステラーゼ、血小板、そして総コレステロール、これら項目は肝機能が大丈夫かどうかで考える時には着目してほしいです。A子さんへご相談のケースはアルブミン値が4.1ですので肝機能障害としてあるのかは考えにくいですね」
A子さん「主治医は肝臓は大丈夫と言っているようです」
私「私がこれまで見てきた肝機能障害があるクライアントさんの場合、主治医の先生はアルブミン、総コレステロール、血小板数は経過観察してるように感じます」
私「もう一つ気になるというか、原因として考えられるのが、ビタミンKの欠乏かな?と感じます」
私「肝臓で凝固因子タンパクが作られると言いましたが、その中で、第Ⅱ、Ⅶ、Ⅹが肝臓で作られるときに、ビタミンKを必要とします。ビタミンKが不足すると、これらの凝固因子も作られずに不足するので、PTが延長することになります」
私「ビタミンKは緑黄色野菜、納豆などの食品からの摂取できますが、体内の腸内細菌でも作られています。抗生物質や抗がん剤などを服用していると、腸内細菌が死滅してしまうためビタミンK欠乏症になりPTが延長してしまいます」
私「この方は抗生物質長期服用がありますよね、どれくらい続けているんですか?」
A子さん「そうなんですよ、ビブラマイシンを半年以上飲んでいるんですよ、低用量なので長期服用OK!みたいに聞いているんですが…」
私「保険も通っているんですね!! 自分では怖くて飲めないけれど…」
私「それでは、その方は納豆とかは食べませんか?、ビタミンKを含む食品の中で一番私達の身体に利用しやすいのは納豆由来のビタミンKですよ」
A子さん「薬はたくさん飲むのに、食事はあれ食べない、これ食べないなんです」
私「患者が変わるべきか、医療者が変わるべきか、難しいですね~」
・・・・日常遭遇する医療のジレンマです。
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