3月に甲状腺についてとブログにあげ、だいぶ間が開いてしまいました
甲状腺疾患の中でもメジャーではない亜急性甲状腺炎について書いてみたいと思います
4年ほど前2021年、私のクライアントAさんのケース
Aさんからお電話で、『3日前から39度台の発熱があり、コロナの検査をしたが感染は陰性とのことです』と。『昨日咽が少し赤いとの事で抗生物質が出たので今日夕方から飲みます』と。
私の方からは、持っているビタミンB群とビタミンCの栄養素の補給をしておくように話しました。
2日後(Aさん発熱から5日後)、私の方からAさんへお電話をしてその後のご体調を聞くと、39度台の発熱が続いていると、咽はそれほど痛くないが首を回したり傾けたりすると首の中央が痛い、首の前面に触れるととても痛いとの事。
その時、私は以前に内科クリニックに勤務していた時に、Aさんと似た症状で外来受診した女性の方が、数回外来受診して亜急性甲状腺炎と診断され治療後速やかに改善した事を思い出しました。
Aさんと似た症状とは、発熱・のどの痛みが抗生物質で改善しない、咽よりも首(前面)の痛みが顕著、甲状腺ホルモンの上昇(急性期は)
Aさんは罹病のかかり付け医師が甲状腺・乳腺専門医だったので、かかりつけ医を受診するように勧めました。かかりつけ医は超音波検査をすぐに行い、亜急性甲状腺炎と診断されて症状が強かったため、パルス療法(ステロイド剤の点滴)が行われました。点滴は3日以上~7日ほどは行われていたと記憶してますが、Aさんの症状は点滴後速やかに改善されていきました。
亜急性甲状腺炎も甲状腺の細胞がウイルスに感染してしまう事でおこります。
発熱・のどの痛みと風邪とよく似た症状です。首を動かすと痛い・唾を飲み込むとき痛いというのも特徴的な症状です。首の前面甲状腺の方にかたい結節が触れる事もあります。これら症状のある急性期に甲状腺ホルモン検査をすれば、ホルモンは過剰に出ていて、一過性の甲状腺機能亢進状態のようです。それは甲状腺の炎症で甲状腺細胞が傷つき、細胞内に蓄えられていたホルモンが血液中にあふれ出てしまうからだと考えられます。
亜急性甲状腺炎を疑い検査は、触診で痛みのある場所にしこりがあるかどうか確かめます。 そして甲状腺超音波検査でそのしこりの部分をみて空洞化(抜けて見える)が特徴なんだそうです。古典的な検査ですがESR(血沈)の上昇もみられます。
治療は、症状の程度に応じ、鎮痛解熱消炎剤、副腎皮質ホルモン(ステロイド剤)の内服、 または点滴で行われます。
このAさんの場合、発熱した翌日に、罹病のかかり付け医での予約日で、主治医に発熱・喉痛の事を申し出ると、『コロナの検査はしておきましょう』と検査をして陰性だったと。
その時点で薬は咽の消炎鎮痛剤の処方をされた。
翌日も高熱がある為、自宅近くのクリニック受診し、『咽が少し赤いですね』との事で抗生物質を処方された。
その日にAさんは私へ病状の報告、その2日後(発熱から5日)私からの電話でまだ解熱しない事を聞き、最初のかかり付け医を受診を勧め、かかりつけ医で亜急性甲状腺炎の診断の経過でした。
病気全般(感染症も含み)言える事と思いますが、受診初日に診断出来る事ってなかなかないのですが、まずは発熱が3日以上続いている場合は、最初の診断通りでは無い、または病状が進行している?と疑い、再診されることが良いかなと思います。
(私自身は、発熱は続いていても、熱のピークは下がっているなどがあれば、解熱鎮痛剤も使わず、自宅でゆっくりとして様子をみる事が多いですが、、、あくまでも私個人はです)
振り返ると、コロナ禍から今も、あまりメジャーではない病状や、え~病院でこんなことが起こっている!のご相談をされることもあったので、ちょいちょい小出しして行こうかと…。
今日はここまで。
参考文献:甲状腺の病気/伊藤公一著
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