健診や検診で、アルブミン値より先に記入されている検査項目、総蛋白(TP・トータルプロティン)について今日は書きます。
血液中(血漿中)には、100種類以上のタンパク質が存在します。血漿中から凝固因子を取り除いた後の血清中の全タンパク質濃度を見ているのが蛋白値になり、g/dlで表されます。
総蛋白値(TP)は、体内環境の変化で生理的範囲の変動がみられます。
例えば、脱水状態では血液が濃縮されているのでTPは上昇がみられます(偽高値)
また、高脂血症(コレステロール値・中性脂肪値が高い)では高めに測定されます(偽高値)
また、妊娠時(5か月以降)は、ホルモンの作用で血漿が増加しますので、血液は希釈された状態でTPは低くなる傾向にあります(偽低値)
《総蛋白・TPの目安》
目安値は7.0~7.5になります。
7.5以上は脱水の影響がないかを考慮します。
8.5以上では、病的上昇を考えます。
6.5以下では、病的低下を考えます。
《総蛋白・TPの低下がみられた場合》
タンパク質の摂取不足→摂食障害など
タンパク質の異化亢進(分解スピードが速い)→全身性の炎症、進行がんなど、栄養状態の悪い時
タンパク質の合成低下→肝硬変・重症肝炎
血管外に漏れる→炎症、感染症
体外へ失われる→ネフローゼ症候群(腎臓)、タンパク質漏出性胃腸炎(消化管)
総蛋白・TPは、アルブミンよりも健診や検診では測定されている印象です。
ご自分のその時の体のコンディションを反映しています
過去の検査表がもしあれば、あの時どうだったこうだったと振り返ってみたらどうでしょう!
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