鼻呼吸と一酸化炭素との関係

15年ほど、インドのアーユルベーダーを学んだことがあり、呼吸を左右の鼻の穴で交互に行うセルフケアーを習いました。

お腹から全部の息を吐きだしてから、右手の人差し指は眉間にあて、右手親指で鼻の穴を塞ぎ(右の鼻翼あたりを抑える)、左の鼻の穴からゆっくりと息を吸う、吸ったらしばらく息を止めて、左の鼻の穴からゆっくりと息を吐きだす。

今度は左の鼻の穴を押さえ、右の鼻の穴からゆっくりと息を吸い、しばらく止めて、右の鼻の穴からゆっくりと息を吐きだす。

つまりは、片方の鼻の穴だけでの呼吸を、交互に繰り返すセルフケアーです。

アーユルベーダーの講師は、その鼻呼吸法に何らかの意味がある事を話していたと思うが、残念ながら私はすっかり失念していました。

最近、高田明和氏の著書『脳の若さを保つ心のメカニズム』の中に、鼻呼吸と一酸化窒素との関係が書かれていて、あ~!と気づいた次第です。

一酸化窒素(NO)というと、なんとなく体に対して悪玉的な事をしているのでは!?と思うところもあるけれど、意外と善玉的な役割をしている事が多いです。

医療の現場で一酸化窒素の治療効果と言って思いつくのは、心臓の虚血の病気(心筋梗塞や狭心症)で胸の痛みが起きた時に、「くすり、くすり~!」といってとる薬、正確には舌下する薬のニトログロセリンが思い浮かびます。

このニトログリセリンはなんとダイナマイトと同じ成分で作られています。

ダイナマイトを発見したのは、あのノーベル賞のノーベルですが…

ダイナマイトの製造過程で、ニトログリセリンには血管を拡張する作用がある事をある医師が突き止め、そしてニトログリセリンは体内で一酸化窒素(NO)になる事がわかりました。

一酸化窒素の様な気体が、痛みの抑制、炎症の抑制、ガンの抑制などの病気・病態の改善に働くという事は画期的な発見で、1998年に研究に関わったルイ・イグナロ博士ら3名がノーベル医学・生理学賞を受賞しています。

さて、鼻呼吸と一酸化窒素の関係ですが、私達の鼻の穴には副鼻腔という場所があって、この場所はただの空洞なのだそうです(副鼻腔炎などとそこに炎症を起こす病気もあります)

医学の世界で、なぜ副鼻腔はただの空洞なのか?何の役割をしているのか?と長い間謎だったそうですが、その副鼻腔の役割を発見したのが、ノーベル賞を受賞したルイ・イグナロ博士なのだそうです。

ヒトは、私達は、副鼻腔の穴の中で、一酸化窒素(NO)を作り、鼻から取り入れた空気と混ざり、その中のばい菌を排除し、一酸化窒素が体に吸収されていくと、血管を拡張する作用があり、肺・心臓・脳などでの血流を増やし、臓器組織の機能を高めるという事につながるというわけなんですね。

私達の体で、外界と通じているところで一酸化窒素が出来る場所は唯一鼻腔の中の副鼻腔なのだそうで、ですので鼻呼吸何よりも大切なんです。

鼻腔はもともと鼻毛や粘膜の働き(絨毛や粘液)で、天然のマスクと言われています。

なぜか人工のマスク(不織布や)をしていると、ヒトは口呼吸をしています。

人工のマスクをしていては、せっかく自分が持っている天然のマスクを持ち腐れしているばかりか、体の免疫を敢えて落とすような事をしています。

口、喉のでは、一酸化窒素は生成しないのだそうです。

一酸化窒素は、副鼻腔でしか生成しないのだそうです。

今日はここまで。。。

次回一酸化窒素生成と栄養の関わりについて





栄養カウンセリングユウケイ

【沖縄県沖縄市】 看護師の知識・経験と分子整合栄養学を融合した栄養アプローチを提案します。