牛乳について vol.1

牛乳を飲みましょうと言うと、健康な食生活を考えている人たちから総スカンされそうですね

健康な食生活をとか、自然食とか、玄米食とか、菜食とか様々な主義主張があります

そういう中でも牛乳は良くないと主張する声は大きいように感じます。

飲みたくないや、飲んだらお腹の調子が悪いという方へは、無理にとは言いませんが

栄養学的には牛乳を全く飲まないほうが、メリットよりもデメリットの方が大きいと考えます。(分子整合栄養学としてではなく、私個人としての意見です)

すべての哺乳動物は、生まれてから離乳までの機関を母親の乳だけで育ちます。

哺乳は生命を維持する事だけでなく、成長・発育も支えます。

生まれたばかりの動物の唯一の食物として、幼動物を養い育てる目的で作られた乳

動物が生きていくために必要な栄養素を全部含んでいます

乳がこのような特別な存在である事から完全食品という呼ばれ方もされています

そして「牛乳は完全食品」という言い方もされてきましたが、それは違うかなと思います

私達ヒトに対して牛乳は完全食品は当てはまらないのではと…。

牛乳は卵と並んで各栄養素をバランスよく含む食品ですが、完全にすべての栄養素が含まれているかと言えばそうではありません

例えば牛乳には鉄分がわずかしか含まれません

またビタミンCもわずかしか含んでいません

牛乳貧血という言葉があります。牛乳を一日に1ℓ~2ℓ近くも飲む子供に強い貧血がみられるという報告があります。これは牛乳には鉄分が少ないので、牛乳ばかり多量に飲んでいるとほかの食品が食べれずに、その結果貧血になっているということです。

この例からも牛乳は完全食品ではない事がわかります

では牛乳の栄養的価値はなんなんでしょうか

《普通牛乳の主な栄養成分組成(100gあたり)》

エネルギー67Kcal、タンパク質3.3g、カルシウム110mg、マグネシウム10mg、ビタミンD活性代謝物0.3μg、レチノール38μg、ビタミンB2 0.15㎎、飽和脂肪酸2.33g、一価不飽和脂肪酸0.87g、多価不飽和脂肪酸0.12g

カルシウム、良質なタンパク質、次いでビタミンA、ビタミンB2、

そして悪者にされがちですが脂肪酸をふくむ食品です


まずどの栄養的価値について書きましょうか

やはり最初はカルシウムですね

牛乳に含まれるカルシウムは吸収に優れています。

牛乳にビタミンD代謝産物(ビタミンD3)が含まれている事も、カルシウムの吸収を助けています

牛乳製造の過程の高温殺菌でカルシウムが破壊されるという説がありますが

カルシウムは元素なので、100度であれ200度であれ高温で破壊されるのか??疑問です

一見科学的に言っている非科学的陰謀の様に私は思います

カルシウムは私達の体の血液中の成分として、一定の濃度で存在しなければなりません

例えば血液検査項目で、血中イオン濃度(血液中に溶け込んだミネラル)をみた項目があります。

Ca(カルシウム)イオン濃度は血液1デシリットル中8.4~10.4㎎が基準値になります

食事から摂取して吸収されたカルシウムが、その血液濃度を維持する事に働きます

しかし、食事から補給されるカルシウムが不足すると、骨から(骨にはカルシウム貯蔵約1000gある)カルシウムを取り出して血中濃度が低くなるのを防ぐようなコントロールシステムが備わっています。

そのコントロールシステムというのは血中のカルシウム濃度が一定より下がると、甲状腺にくっつくようにしてある副甲状腺という臓器が、血中のカルシウム不足をキャッチして、副甲状腺ホルモン(パラソルモン)を出します。

この副甲状腺ホルモン(パラソルモン)は血流にのって骨へ行きます。

そして骨のカルシウムを溶け出させ、血中カルシウム濃度を上げます。

この時に必要以上に大量のカルシウムが溶け出てしまう現象が起こります。

血中カルシウム濃度が高くなっているわけですから、このカルシウムは血流にのって全身へまわります。腎臓とか(腎結石の原因)、動脈壁とか(動脈硬化の原因)、腱とか関節(肩関節周囲炎、変形性膝関節症の原因)とかコラーゲンのあるところへ行って沈着します

よく言われる石灰化という現象です。

このことを栄養的な用語で「カルシウムパラドクス」と言います

不足していたはずのカルシウムが、全身あちらこちらにみられるという現象です

それでも私達の体は良くできていて、骨からカルシウムが出すぎないようにするホルモンも用意されています

それが女性ホルモンのエストロゲンと、甲状腺ホルモンのカルシトニンです

これらホルモンが働いていると、副甲状腺ホルモン(パラソルモン)が骨にやってきても、 骨ははいはいとすぐにカルシウムは手放しません

しかし…女性は閉経年齢、更年期頃から女性ホルモンの量が急に減ってしまいます

それと並行するように、甲状腺ホルモンのカルシトニンの量も減り、60歳頃にはカルシトニンは殆ど出ないと…。

更年期以降、還暦頃の女性の骨は、カルシウムが抜けている状態、骨粗鬆の状態になるわけです(私もどっぷりその年齢…)

では、骨粗鬆症にならない様にするにはどうしたらよいのでしょうか

まず、血中カルシウム濃度が下がらない様にする事です

私達が食事調べをして遭遇する事ですが、成人カルシウム摂取所要量(600㎎)の半分にも満たない方々がおおかたです。

牛乳・乳製品を摂っていない人は、所要量の三分の一程という結果に出ている事が多いです

コップ1杯200CCで200㎎のカルシウムがとれます                 それもビタミンD3含みますので食品の中では牛乳のカルシウムは吸収の良い方です

牛乳・乳製品がどうしても嫌と言う場合は、小魚(魚骨)の勧められます

例えば、きびなご100gで10mgのカルシウムがとれます

このきびなご100g~200gを毎日どのように食しましょうか……。









栄養カウンセリングユウケイ

【沖縄県沖縄市】 看護師の知識・経験と分子整合栄養学を融合した栄養アプローチを提案します。