解熱剤の害 浜 六郎さんの著書から№1

浜 六郎著書『やっぱり危ないタミフル』 2008年に発刊されたときに購入し読んだ時には、タミフルにフォーカスしていていたのかな(その数年前に、息子にタミフル服用後の副作用の様な症状があったので)

最近改めて読み直してみると、発熱、解熱のしくみ、解熱剤の害について丁寧に多く書かれている。端折る部分もあるかもしれないけれど、読んで私自身が理解した事を書いてみます。


熱を下げるのはもったいない

ヒトの体は、ウイルスの侵入を阻むために、まず鼻の粘膜の粘液中の成分が活躍する。     

ウイルスは粘膜の細胞に取りつこうとするが、私達はこれを排除しようと、くしゃみを出す。

くしゃみで排除できなかったウイルスは細胞内に入り増殖していく。 

これがウイルスが体に入る仕組みだ。

しかしヒトの体には、粘膜の細胞の他にもマクロファージという細胞がいて、入り込んだウイルスを食べてくれるようになっている。

マクロファージは、「異物だ。やっつけろ」という行動開始の指令を全身に出す。

この指令はサイトカインといわれる化学物質によって伝えられる。

サイトカインは何種類もあり、インターフェロンはその代表的なものだ(インターフェロンはC型肝炎の治療にも使われる)

他にインターロイキン(IL)、腫瘍壊死因子(TNF-α)などがある。

マクロファージの「異物だ。やっつけろ」という指令が最も早く伝わり最初に起こる行動が『発熱』だ。

前述の3種類のサイトカインはいずれも発熱を起こさせる。

サイトカインの刺激を受けて、脳内でプロスタグランディンの合成が高まり、脳内の体温サーモスタツトが高温にセットされる。

すると、「体温を上昇させよ!」」という指令が脳から発せられ、その指令に応じて筋肉を収縮させ、体を震わせ(悪寒戦慄という)、体の内部から熱を発生させ、全身の皮膚の血管を収縮させる事によって熱が逃げる事を防ぐ。

こうして体温は上昇し、熱に弱いウイルスはやっつけられる。

熱と痛みは病気の苦痛の最たるものだ。病気が重いほど熱は高く、痛みも強くなる。          病気が治ってくれば熱は下がるし、痛みも治る。

熱の高さ、痛みの強さは病気の重さのバロメーターだから、誰しも早く熱が下がってほしいと思う。そして解熱剤に頼って熱が下がれば、その時は体が楽になるから、病気も良くなったように錯覚する。

だが、先述したようにウイルスは熱に弱い。

だから発熱のせいでウイルスはヘトヘトになっているのだ。    

そんな時に解熱剤、特に非ステロイド抗炎症剤(NSAIDs=エヌセイズ 本書ではしばしばきつい解熱剤と呼ぶ)という系統の解熱剤を使うと、熱を下げる効果よりも害の方が強く出る事になりかねないのだ。

(トカゲに細菌感染させると、恒温動物のトカゲは自分で体温を上げる事が出来ないので、気温の高い所へ移動して体を温めようとする。トカゲの一種のイグアナに細菌を注射して感染させた実験があるが、外気温を38℃に下げると、4日後には4分の3が死んだ。ところが40℃シーは同じ時期に三分の1しか死亡せず、42℃では全く死ななかった。高熱にしておく方がたくさん生き残ったのだ。高熱の環境の方が、細菌など外敵に打ち勝つのに都合が良い事が、その後多数の実験で証明されている。)



№2へ続く




栄養カウンセリングユウケイ

【沖縄県沖縄市】 看護師の知識・経験と分子整合栄養学を融合した栄養アプローチを提案します。