風邪の時の解熱剤を使う判断 №2

アスピリンを含むNSAIs(非ステロイド系消炎鎮痛剤)で、なぜライ症候群が起きるか

それはその薬剤が人の体のどこに作用するのかを研究され解明された

アスピリンの様な薬剤は、細胞の中のミトコンドリアを障害するという事がわかった

ミトコンドリアは人の細胞の中で、酸素を使ってエネルギーを作り出す大切な役割をしている

ライ症候群の人の肝臓組織の細胞を調べると、ミトコンドリアが変形している特有の所見があったという

その後の研究で、アスピリンなどのサルチル酸製剤に、軽度ながらもミトコンドリアの働きを妨害する様な作用がある事が確認されたと

ミトコンドリアが障害されれば、細胞は正常な働きが出来なくなってしまう

今現在はアスピリンのみならず、ポンタールやボルタレン、ロキソニンなどのNSAIsも同じ性質を持つので、子供への解熱剤としては使用していないのは、その様な理由からです

1980年代、アメリカではライ症候群の原因はアスピリンであると認識され

日本でも1980年代にはライ症候群の研究がなされ、アスピリンなどによるリスクについての知見・報告があったにも関わらずに

日本では1999年にインフルエンザ脳症と解熱剤の関連性を指摘されるまで、子供に対してまだ一部で使用されていた

私は娘が1歳頃、1990年代初め頃、那覇市の○立病院の外来勤務をしていました。

その頃はまだ、発熱で来院する病児に

インダシン座薬やポンタールが処方されていた

1990年代中頃、沖縄県中部に転居してきて

○立○部病院の外来勤務をしていた

その頃も、小児科外来ではインダシン座薬、ポンタールが処方されていた

1997年頃から、小児科クリニックに勤めていた

院長先生は、海外の論文を読んでいたからか、

私達クリニックの看護師は院長先生との勉強会で

ライ症候群の事・アスピリン製剤の原因説などを聞いた

その後、日本では、実際にサルチル酸製剤の使用が中止されても、インフルエンザ脳症の頻度は減少しなかったので、現在はライ症候群との関連はほぼ否定されている様です。

しかし子供に使用される解熱剤は、ほぼアセトアミノフェンになっています

アセトアミノフェンは、アスピリンなどNSAIs薬剤にある様な、ミトコンドリアの障害性はなく、ライ症候群との関連性もほとんどないと考えられているからです。

現在は、ライ症候群の危険性は別の種類の薬剤が指摘されています※

日本の研究で、ライ症候群は薬剤との関連性ではなく、熱に弱い体質的な事だと言う知見もある様です。

その知見からすると、熱性痙攣の様に熱に弱い人がいる様に、解熱剤を使う事をむやみに躊躇せずに、適切に解熱剤を使ったほうが良い体質の人もいるとの事

私的には、これからも自分がウイルス感染症にかかり発熱が見られたら、

つらい症状が有ればアセトアミノフェンの使用をするだろうし、38℃から38.5℃ほどでも元気であれば解熱剤は使わずに様子をみるかなと。

現在のところ。

※の件、近いうちに書いていきたいです

下記、参考までに

病院で処方されるNSAIs薬剤

バファリン®

ロキソニン®

ボルタレン®

インダシン®

ポンタール®

市販薬の主なNSAIs薬剤

バファリンA

イブ®

ノーシン®

新セデス®

セデス・ハイ®

栄養カウンセリングユウケイ

【沖縄県沖縄市】 看護師の知識・経験と分子整合栄養学を融合した栄養アプローチを提案します。