ビタミン製剤が出されました…ビタミンB12①

タイトルにも書きましたが、「病院でビタミン製剤が出されました。飲んでよいですか」

当方にとっては返事に困る事でもありますが、今のところ返事は一つ

「ご自分で決めて下さい」と話しています。

サプリメントや栄養製品に抵抗がある人でも、病院で出されたビタミン製剤はすんなり受け入れている印象があります。

保険がきいてお手頃感があるからでしょうか、お医者さん処方という安心感でしょうか

先日も、耳鳴りの症状があり病院受診したという方が

「ビタミンB12とビタミンEの製剤の処方が出ました。飲んでよいでしょうか?」とのご相談がありました。

病院で医師へ「すでにビタミンB群のサプリを摂っています」と伝えると

処方医は「サプリは止めて、薬にしなさい」と言われたそうです。

その上で私に「ビタミン製剤を飲んでよいでしょうか」と聞かれても、私からの返事は「ご自分で決めて下さい」と言うしかないではないですか…。

気を取り直して、ビタミン製剤と、栄養素・栄養製品の違いを書いてみたいと思います。

ビタミン製剤にも色々あるので、先日ご相談にもあったビタミンB12について今日は書きましょう

ビタミンB12の栄養素を多く含む食品は、動物性食品・特にお肉に多いです。

またビタミンB12が吸収されるまでに、唾液、胃、膵臓から出る消化液、ホルモンが大きく関わります。

食事や、栄養製品で摂るビタミンB12は不活性型です(シアノコバラミン)

お薬・製剤(薬剤名メチコバール)のビタミンB12は活性型です(メチコバラミンなど)です。

上記の事は抑えておくポイントです。

ビタミンB12の吸収経路はとても複雑です。

吸収の過程、体での輸送、体での活用には様々なタンパク質が関わっていて、逆にタンパク質が関わる事で保護され、体で使われるような効果を発揮します。

食品(お肉)などに含まれるビタミンB12はタンパク質と結合しています

→食事から取り入れたビタミンB12は胃酸や胃でのタンパク消化酵素ペプシンで分解されます

→分離されたB12 は唾液に含まれ咀嚼で分泌されたハプトコリンと胃内で結合します

→B12とハプトコリンの複合体は十二指腸まで運ばれます

→十二指腸でその複合体は膵臓から分泌されたタンパク消化酵素プロテアーゼで分解されます

→分離されたB12は胃壁から分泌される内因子(ホルモン)と結合します(※1)

→B12と内因子の複合物は小腸上皮細胞の受容体に結合して細胞の中へ取り込まれます(※2)

→細胞内で不活性型だったB12 (シアノコバラミン)は活性型(メチコバラミン)へ変換されます(※3)

→細胞内でトランスコバラミンⅡ(B12輸送タンパク質Ⅱ)と結合し血液中へ分泌されます

→門脈を経て肝臓に至り肝臓ではトランスコバラミンⅠ(B12輸送タンパク質Ⅰ)と結合し貯蔵されます

→体での必要に応じてB12輸送タンパク質Ⅱと結合して全身に運ばれます。

どうですか、、、マニアックすぎるでしょうか(笑)

色々書きましたが、薬と食品の違いで伝えたい事は※1と※2と※3

内因子が結合するB12は不活性型(シアノコバラミン)でありまた小腸上皮細胞の受容体(受け皿)も、不活性型のB12と内因子の複合体の受け皿という事です。

メチコバールなどのビタミンB12製剤は、神経障害から出る痛み、手足のしびれや聴覚異常などで出されている事が多いようです。

医療界隈では、ビタミンB12製剤は効くのか?という疑問視する声があるのも確かです

私は、私達の体では不活性型(食品のかたち)での受け皿しか用意できていないというのが、製剤が体で効果を発揮しにくい事の理由の一つなのでは、、と思うのです。

《ビタミンB12欠乏を起こす原因と不足の確認》

食事からの摂取が少ない(肉を食べないなど)

胃が悪い、胃薬を長く飲んでいる、胃の手術をした、(消化酵素の分泌低下、内因子分泌低下を引き起すので)

過剰飲酒(胃粘膜障害を引き起こすので)

抗がん剤など葉酸拮抗剤などの治療(B12と葉酸は同様の吸収経路)

血液検査・血液一般にあるMCV(平均赤血球容積)は赤血球の大きさをみる検査。

その数値が基準値を上回っている時には大球性の可能性、赤血球の大球化はB12欠乏が原因の一つ。








栄養カウンセリングユウケイ

【沖縄県沖縄市】 看護師の知識・経験と分子整合栄養学を融合した栄養アプローチを提案します。