痛み止め、消炎鎮痛剤

実家の母(91歳)が少し認知症の気配がある昨今、前よりは実家通いの多くなっている私ですが、実家へ行き来する中で気が付いた事は、母は昼夜寝ている時間が長い、腰が痛い痛いと聞けば言うけれど、ベッドからの起き上がり、室内を歩行している様子はそれほど痛い様子はない。

母は両膝関節置換術、股関節置換術の手術を受けて、70歳後半からはロキソニン錠かカロナール錠かどちらかの痛み止めを服用していました。

痛み止めは必要かな?という事で母と同居する家族と話し合い、朝・昼・夕1錠ずつ飲むように出されているロキソニン錠を一日2回へ減らし、その後飲む量をゼロにしてみました。

痛み止めをゼロにして数日から1週間ほど経過しても痛がる様子もない、そればかりか日中のダラダラ仮眠をしなくなった、家族の食事を作るために台所に立つ事が復活した、顔の表情も元の母に少し戻った感じ、物忘れは相変わらずだが、、、。

ロキソニン錠に、認知機能の障害を与えるような副作用あったのかははっきりわかりませんが、母の場合は、止めたことで明らかに良い結果が出ている様だ。

過去に書いたてぃーだブログ読み返していると、痛み止めについて書いた記事があったので

過去の私、よく勉強しているな!と感心しながら復習しています。

2014年05月29日

痛み止め

伊平屋島の実家の母が膝痛が強く、痛み止めの薬を時々飲んでいるようです。

『胃腸の負担が心配』というと

『胃薬も一緒に飲んでいるから大丈夫』というので

胃薬をみると、胃酸抑制剤…

これでは、ないんだけどなと思いつつも、

母にいうと不安を煽るのでいいません

薬を飲まなくても過ごせるように調整しなくっちゃと思うのです

さて、痛み止めといわれる薬は、どのような機序で働くのでしょうか

看護師時代、劣等生だった私は、そんなこと考えたこともなく

痛み止め(消炎鎮痛剤)の製品名や、使い方、副作用などを暗記する形でしかいなかったのだけど

分子栄養学を学ぶようになってからでしょうか

私たちの体の痛みや炎症とかのことを医学的に考えるときに

避けては通れないのに、プロスタグランジン代謝というのがあります

聞いたことありますよね、はい、

栄養医学を勉強している人の多くが苦手なんですよね、私もです

でも、自分や、身近な人が、痛み止めや、プレドニンなどの薬を飲まなくてはならなくなった時や

膠原病や癌などの病態の方に、栄養アドバイスをしてくださる先生達から

プロスタグランジン代謝、ロイコトリエン代謝の改善にこれこれの栄養素を…とかアドバイスを頂くと

そっか!とか、思うのです

以下、これまでの復習というか、現時点での私の理解というかまとめてみます

私たち人の体は60兆の細胞から出来ていて、その細胞ひとつひとつはまた、細胞膜によって区切られてます

細胞を部屋に例えると、細胞膜は壁ですね

その細胞膜に、私たちが食事から摂った脂肪酸が取り込まれ、リン脂質として細胞膜を作る材料になります。

外界から、なんらかのストレスが細胞にかかると、リン脂質からアラキドン酸という脂肪酸が

PLA2(フォスホリパーゼエーツー)という酵素の作用を受け切り離されます

アラキドン酸は細胞の中(細胞質)に入っていきます

細胞質に入るとまた、いろいろな酵素の作用を受けるのですが大きく分けて2つ

一つに、シクロオキシゲナーゼという酵素の作用を受けて、プロスタグランジンG2が産生されます

このプロスタグランジンという物質は、瞬時に私たちの身体を調整するホルモン様のものなんです

プロスタグランジンG2はH2へと変化し

プロスタグランジンH2はプロスタグランジンI2、E2、D2、F2、トロンボキサンチンA2などを産生します

痛みや発熱、炎症と関係するのが、E2とI2

痛みを起感じやすくするというブラジキニンという物質の働きを誘発するのです

そこで、痛み止めのアスピリン、ロキソニンなど、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS、医療従事者は略してエヌセイドという)は

プロスタグランジンを産生しないように

あの細胞質で作用するシクロオキシゲナーゼが作用しないようにブロックするお薬なんです

やっかいなのが、プロスタグランジンE2やI2は、痛みや炎症のように悪者的な作用だけでなく

気管支を拡張したり、胃粘膜保護物質を出したり、骨膜の形成に関わったり、血小板凝集を抑えたりという

体をコントロールして行く上では、良い作用もしているのです

だから、痛み止めを飲んだら胃が悪くなると、胃薬が出されるんですね

でも胃薬の多くが、母に出されているように、胃酸抑制剤という、胃酸が過剰に出ないようにするお薬なんです

胃酸が出る副作用ではなく、自分の胃を保護する物質が出ないことが副作用なのだから、おもうのですが、なかなか処方する先生には言えませんよね

私は、痛み止めや抗生物質を飲む方には、グルタミンをお勧めしています。

また、NSAIDS薬の副作用として医療現場に居る時に遭遇したのが、アスピリン喘息

あの時はその副作用の機序を理解してませんでしたが

分子栄養学を勉強してからです、知るようになったのは

プロスタグランジンE2などの良い作用の気管支拡張作用が邪魔されてしまうからなんですね

分子栄養学を勉強し始めに、講師の先生達が

『若いうちから、頭痛や生理痛とかで痛み止めを常用していると、更年期の年齢の頃に関節のトラブルを起こすリスクは高くなる』と話されていて

『何で?』と思ったものですが

プロスタグランジンの働きをを何度も何度も学んで、やっと今頃、そうなのかと理解している次第です

栄養カウンセリングユウケイ

【沖縄県沖縄市】 看護師の知識・経験と分子整合栄養学を融合した栄養アプローチを提案します。